映画「心が叫びたがってるんだ。」は言葉の大切さを伝えてくれる。
「あの花」スタッフによる最新作「心が叫びたがってるんだ。(以下ここさけ)」が19日から公開されたので、連休の合間に見てきました。
言葉で人を
傷つけてしまった少女は、
二度とお喋りができないように
言葉を
封印されてしまいました。あらすじ
幼い頃に活発だった少女、成瀬順は何気ない一言がきっかけで「王子の妖精」に言葉を発せない呪いをかけられてしまう。それ以降携帯メールのみで人とのコミュニケーションを取っていた順は、高校二年生のある日、「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命された事をきっかけに「歌う」ことを決心するが…。
ciatrより
本編は「あの花」と同じくして秩父市が舞台。それぞれが悩みを抱える4人にスポットをあてた青春群像劇です。こんな青春したかったなぁと思う、ちょっと甘酸っぱい、そんなお話。
ネタバレあり。「心が叫びたがってるんだ。」感想
王子様に憧れる少女「成瀬順」がいつか行きたかった身近にあった”お城“。本人には悪気がなくて、むしろ素敵なことだと思っていたのに。。。
のっけからのあのシーンが本人には本当に悪気がないことがわかっているだけに、なんだかすごく辛かったですね。
でも、何気なく発した言葉だからこそ、時に人を傷つけることがある。そして、それは取り返しのつかないことになった。
自分のささいな言葉で両親が離婚。少女の抱えるトラウマとしては大きすぎますね。
そうして、順は言葉を喋れない呪いを玉子にかけられた。
時が過ぎ、成長して高校生になった順。呪いのせいで、無口になって携帯でしか会話ができない。
笑っちゃ駄目なんでしょうが、個人的には「喋るとお腹が痛くなっちゃう呪い」っていうのは、順のキャラクターを表現すのにはぴったりだったと思いました。
最初は無口でしたが、実行委員の仲間(主に坂上拓実)と関わるにつれて、表情が豊かになって、ころころ変わる様は見ていて可愛い、青春真っ只中の乙女そのもの。
順が未だに王子様に憧れているんだなぁっていうのがひしひしと伝わってくる描写です。
この辺で、もしかして恋愛色の強い作品なのかな? って感じました。
っていうか、実は「あの花」に近い作品を想像していたので、終わってみれば、ここまで恋愛要素の強い作品とは全く思っていませんでした(笑)。
そして、要はミュージカル!!
本編で「歌なら言葉で発するよりも自分の気持ちを素直に伝えられる気がする。」っていう発言がありましたが、僕もそうだと思いました。
だから、人は歌うのが好きなんだなぁと。本当にその通りですね。
歌うことならお腹が痛くならないことに気づいた順は、自分の本当の気持ちを伝えたくて、ミュージカルに挑戦するのですが、この辺がまさに青春していました。
順は完全に坂上くんのことを王子様として見ていたよね。
舞い上がって、浮かれて、そして、絶望して。
ほんと順を中心にした恋愛ドラマの王道を踏んだストーリー。
僕を含む少女マンガが好きな人なら大好きなパターンだと思います。
ただ、この辺は「あの花」を期待していたファンからすると、肩透かしをくらう恐れもあり、評価の分かれそうなところではありますが。
でも、だからと言って決して駄作というわけではない。
良作です!!
作品としては完成されているし、終わったあとに温かい気持ちになれるし。
何よりハッピーエンドだし!!(玉子エンドだったけど)
しかし、仁藤と田崎が付き合うんだと中盤までは思っていたので、やっぱりちょっとモヤモヤは残りましたね。
いや、王子さまに憧れたまま(王子エンド)だと順が成長できないから、物語としては、こっちの方(玉子エンド)がしっくりするのは納得はしていますよ。でも、順がそのままハッピーエンドを迎えるのも見てみたかったというか、そんな気持ちです。
ってか、話し変わるけど、坂上くんは本当にイケメンだったですね。まさに王子!
ピアノも弾けて、歌も歌えて、優しくて、そこそこかっこいい。
非のうちどころがなくないですか? 順が好きになるのもしょうがない。
でも、そんな彼でも心にトラウマを抱えている。
だからこそ、順を応援したくなった。
それがちょっと思わせぶりでしたよね(笑)。
まとめ
「ここさけ」は僕たちにあらためて「言葉の大切さ」を問いかける作品です。時に人を傷つけ、幸せにもする。映画を観たあなたには伝わったはず。
この映画に少しでも勇気を貰ったなら、新しい一歩を踏み出してみるのも悪くないかもしれません。
あなたの身近に大切な人、いますか?
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