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【感想】映画『聲の形』。人は助けあって生きていく

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映画『聲の形』
(c)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会

映画『聲の形』公式サイト

あらすじ

“退屈すること”を何よりも嫌う少年、石田将也。
ガキ大将だった小学生の彼は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。
彼女が来たことを期に、少年は退屈から解放された日々を手に入れた。
しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周囲から孤立してしまう。

やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。
“ある出来事”以来、固く心を閉ざしていた将也は硝子の元を訪れる。
これはひとりの少年が、少女を、周りの人たちを、そして自分を受け入れようとする物語――。

特別派手な演出もない。ただ二人の日常を丁寧に描いてくれている。だからかな。見終わった後、いつもより人に優しくできる自分に気付くだろう。「聲の形」はそんな映画だ。

目次

【感想】「聲の形」

製作は京都アニメーションで「けいおん!」、「たまこまーけっと」の山田尚子さん×吉田玲子さんのコンビ。原作は「このマンガがすごい!2015」オトコ編で1位に選ばれていたりで、公開前から何かと注目されていたこちらの作品。

原作を読んでいた僕も、映画化が発表されてから公開を楽しみに待っていました。

「聲の形」は感動ポルノではない

ヒロインが聴覚障害の女の子とあれば、その子のことを健気に守ってあげたいお涙頂戴的な作品と思いがちかもしれませんが、これはそういった作品ではありません。

なぜなら、助けてもらいたいのはあくまで主人公の「将也」だからです。

将也は小学生の頃、硝子のことをいじめていました。でも、そのことが大人たちにばれ、一緒にいじめていた友達には罪を全部押し付けられ孤立してしまいます。そして、そのまま硝子は転校、代わりにいじめのターゲットになってしまう。

それは高校生になるまで続き、将也は自閉し「周りの声」が聞こえなくなってしまいます。

将也と硝子の関係

高校生になり、偶然、手話教室で硝子のことを見かけた将也。そこからまた彼の歯車は回り始めます。

わからなくなっていた人付き合いにも再び一歩を踏み出し、順調! かと思いきや、過去にやっぱりひきづられる。

一方の硝子は自分の障害のせいで、両親の離婚、妹の不登校と、周りの日常が壊れていくことに耐えられなくなっている。

この辺の二人の心理描写は見ていて痛いほど胸に刺さり、涙が浮かんでくるのですが、そこはネタバレになってしまうのでここでは語りません。

みんなそれぞれが想いを抱えている

この作品に出ているキャラクター達はそれぞれが想いを抱えています。人なのですから、それは当然のことなのですが、その気持ちにうまく折り合いをつけられていない。

そこが少しずつですが解消されていくのも作品としての魅力の一つでしょう。

特に僕は植野が連載当時から好きだったのですが、アニメーションで動いているのを見て、より好きになってしまいました。

まとめ

君に生きるのを手伝ってほしい」。この映画のキャッチコピーですが、もうこれが内容すべてです。7巻分の内容を映画にということで、最初は少し不安だったのですが、観終わってみれば、よくここまで傑作に仕上げたなと。

とにかく丁寧に作られていて、終わった後、優しい気持ちになれる映画「聲の形」。

最近大ヒット中の「君の名は。」とは少し毛色は違いますが、気になった方は是非みてみてください。(※こちらの作品は聴覚障害を持たれている方向けに、全公開劇場で字幕付きの上映が予定されています。)

少しでも多くの方にこの作品の魅力が伝わりますように。

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