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【感想】すごくいい。もう一度観たい。それが新海誠最新作『君の名は。』だ。

2016年8月28日

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すごくいい。もう一度観たい。それが新海誠最新作『君の名は。』だ。

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(c)2016「君の名は。」製作委員会

映画『君の名は。』公式サイト

あらすじ

千年ぶりとなる彗星の来訪を一か月後に控えた日本。山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。小さく狭い町で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会への憧れを強くするばかり。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーーーい!!!」

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、戸惑いながらも、念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。「不思議な夢……。」一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も、奇妙な夢を見た。行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだー。彼らが体験した夢の秘密とは?

特有の映像美、後半からラストへかけて二転三転する怒涛の展開。普段の僕なら、ここで思いっきりネタバレしたいところだが、あえてしない。

なぜなら、これは絶対ネタバレしたらダメなやつだから。

 【感想】『君の名は。』

『君の名は。』が発表された時、僕は密かにニヤニヤしていた。なぜなら今までの新海誠と違う何かを感じたからだ。

初めての新海誠

僕が初めて新海誠を知ったのはminoriというPCゲームメーカーのOPだった。凄く綺麗な空を描くなと思ったのが最初の感想だ。それからじきに自主制作映画の『ほしのこえ』が発表された。宇宙と地上に引き裂かれる恋人同士を描いた切ない物語。

映像美とそのストーリーに惹かれ、一気にファンになった。

そのあと、『雲の向こう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』、『言の葉の庭』と続き、気付いたら10数年ファンをやっていた。

作品を追うごとに知名度は上がっていったが、どちらかというと影の人で、一般受けはしないタイプの作家だった。

だが、それはこの作品で覆ることになる。

新海誠がメジャー作家になった

まず第一に僕がびっくりしたのはその製作陣だ。

『とらドラ!』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の田中将賀がキャラクターデザインを担当、そして『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』の作画監督・安藤雅司が参加しているのだ。

また、新海誠はもともとあまり表舞台に出てくるタイプの作家ではなかったが、今回はかなり前面に出てきているのも印象的だ。

マスメディアの注目も今までとは比較にならない。

誰でも楽しめる新しい『シン・新海誠』

RADWIMPSの軽快な主題歌に乗せてOPが流れる。まずこの切り口が今までの新海誠では絶対ありえなかったので新鮮だ。

物語の前半では主人公二人の入れ替わりをコメディチックに描いていて、終始ニヤニヤできる。グイグイと物語に惹きこまれていく。これは主人公二人の声優『神木隆之介』と『上白石萌音』の演技力の功績も大きい。

細田守の『時をかける少女』をふと思い出した。

これは本当に新海誠作品か?

今までのファンの期待を良い意味で裏切ってくれている。

物語中盤から後半にかけて二転三転する怒涛の展開も素晴らしい。

今までの新海誠なら、ここはこうなってしまうんじゃないか? という場面も『シン・新海誠』には華麗にスルーされる。勝手に邪推してハラハラしてしまう自分が憎かったほどだ。

ネタバレになってしまうので詳細は伏せるが、ラストシーンは今までの新海誠だったら、あの場面で終わりだったな、と往年のファンなら誰もが思ったことだろう。

この作品で新海誠を好きになった人へ

今まではセカイ系と呼ばれる、どこかもの悲しげな作品が得意だった新海誠は、『君の名は。』で新しい『シン・新海誠』を作り出したと思う。

嬉しいことにこの作品の評判はすこぶる良いようで、さらに知名度が上がり、より万人受けする作家になっていくだろう。

『ポスト宮崎』にはまだ早いだろうが、将来的には細田守と日本を背負って立つ作家になると思う。そんな作家の過去の作品を観て、原点を振り返るのも悪くないだろう。

まとめ

これで購入していたが今までずっと読むのを我慢していた小説版が読める。

読み終わったら2回目だ。いや、2回と言わず、3回、4回だ。

すごくいい。もう一度観たい。それが新海誠最新作『君の名は。』だ。

思わず口にしてしまう。それくらいこの作品には魅力がある。

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ささのは

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