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【感想】原作高山一美、映画「トラペジウム」を鑑賞してきた!

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トラぺジウム
2024「トラペジウム」製作委員会

映画『トラペジウム』公式サイト

STORY

高校1年生の東ゆうは、絶対にアイドルになるために“SNS はやらない・彼氏は作らない・学校では目立たない・東西南北の美少女を仲間にする”という4箇条を課して生活している。別々の学校に通う少女を仲間にしたゆうは、高校生活をかけて夢を追いかける。

いつかの映画館で目にしたトラぺジムの予告編。どうやら元乃木坂46の高山一美が現役のアイドル時代に執筆した小説が原作らしい。

アイドルが思うアイドルの映画か、なるほど。公開されたら観に行くべきだろう。

というわけで行ってきたのである。

【感想】映画「トラペジウム」

誰よりも人間らしい東ゆうに魅力を感じるか?

余談だが僕は人間は本質的にみんなエゴイストであると思っている。大なり小なり個人差はあると思うが、誰もが自分の幸せを追求していると感じるからだ。

アイドルになりたい。

日本全国を探せば、男女問わずたくさんの志望者がいるこの時代。キラキラ光る姿に憧れた、引っ込み思案な自分を変えたい。理由はそれぞれだろうが、結局のところ自分に帰結する。

ゆうのエゴイストな部分をどう感じるかでこの作品の評価は二極化されると思う。

さて、本編の感想だ。

主人公の東ゆうはどうしてもアイドルになりたい。物語冒頭から不審な動きをしているこの人物、なんと東西南北の美少女と友達になりたいという(※東はゆう自身)。

彼女の目的は実に単純明快で、東西南北の美少女が集まって話題になれば世間から注目されアイドルデビューに繋がるのではないかというものだ。

西の大河くるみ、南の華鳥蘭子、北の亀井美嘉、ゆうの私利私欲的な行動が目立つ序盤で、彼女のことが無理になってしまう人が出てくるのもわからなくはない。

東西南北(仮)のかりそめの成功と挫折

ゆうを自己中心的に感じてしまうのは僕が大人になったからかもしれない。

思い返せば、学生時代は今よりもう少しいろんなことにがむしゃらだった。これができない、あれができない、とまず諦めることから始めるのではなく、何というか若者特有の変な自信があった。

自分だけは大丈夫だと信じて疑わなかった。

東ゆうはそんな日の自分自身なのかもしれない。

彼女の計画がなんだかんだ上手く回り始めた中盤、4人は東西南北(仮)というアイドルグループとしてデビューする。キラキラした憧れの世界に満足げなゆう。そして、アイドルがやりたかったわけではないけれど、友達といろんなことをすることが楽しい3人。最初は良かったが、見えているものが違えば当然すれ違う。

芸能界のプレッシャー、厳しい環境にゆう以外は耐えられなくなっていく。このあたりのゆうは露骨に嫌なやつに描かれていて人によっては嫌悪感さえ覚えることだろう。

周りを笑顔にできない人がみんなを笑顔になんてできないわ!

結局、東西南北(仮)は1曲出しただけで解散。

エゴイズムからの脱却と再生

今までの自分を振り返り、塞ぎ込んでしまうゆう。

わたしって嫌なやつだよね?

そういうところも、そうじゃないところもあるんだよ。

母親のこのセリフは実に良いなと思った。親として娘のことをよく見て向き合っている。

東西南北(仮)は失敗してしまったけれど、友人として今度こそ本当の絆を築いていこうとする4人。忘れていた宿題をそれぞれ持ち寄り、いつか歌うはずだった曲が出来上がる。

アイドルという夢を追いかけるのはゆうだけになり、それそれが自分の道を歩き始める。

物語は未来に飛び、アイドルになったゆうと3人の同窓会で物語は閉じる。

写真が好きならニヤリとするシーンも

物語の序盤からゆうの協力者として登場する工藤真司。彼は写真と星が好きで、作中でカメラを構えたり、彼の作品に触れられる機会がある。

ANIPLEXだからSONYのカメラなんだなとか、50mm F1.4とは高校生ながら良いレンズを使っているなとか、あの写真は野島崎灯台! とか、写真が好きならちょっとだけニヤニヤできるシーンもあるので注目して見て欲しい。

まとめ

ゆうがのちにどのようにして成功したのかは描かれていない。そのため純粋にアイドル映画を期待して観ていたとしたら少し肩透かしを食らう可能性もある。

けれど、この物語の本質はそんなところではなく青くて自分勝手にガムシャラだった東ゆうが挫折し、少しだけ成長した青春のある1ページ。誰もが経験するあの日の自分は若かったなというノスタルジーではないだろうか。

高山一美にもそんな時代があったのかなと想像しつつ、筆を置く次第である。

  • この記事を書いた人

ささのは

風景やポートレートを撮っています。
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