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【感想】『さよならの朝に約束の花をかざろう』、想いはいつまでも永遠だ。

2018年2月25日

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映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』公式サイト

個人的に気になっていた映画「さよならの朝に約束の花をかざろう」(以下さよ朝)を観てきました。知ってる人は知ってるかもしれませんが、僕は『あの花』と「ここさけ』が大大大好きなのです。ここさけはこのブログで感想も書いているので、奇特な人は読んでくれているかも? というわけで、ちょっとマイナーかも知れませんが感想です!

【感想】『さよならの朝に約束の花をかざろう』

あらすじ

糸は流れ行く月日。横糸は人のなりわい。

人里離れた土地に住み、ヒビオルと呼ばれる布に日々の出来事を織り込みながら静かに暮らすイオルフの民。

10代半ばで外見の成長が止まり数百年の寿命を持つ彼らは、“別れの一族”と呼ばれ、生ける伝説とされていた。

両親のいないイオルフの少女マキアは、仲間に囲まれた穏やかな日々を過ごしながらも、どこかで“ひとりぼっち”を感じていた。

そんな彼らの日々は、一瞬で崩れ去る。イオルフの長寿の血を求め、レナトと呼ばれる古の獣に跨りメザーテ軍が攻め込んできたのだ。

絶望と混乱の中、イオルフ一番の美女レイリアはメザーテに連れさられ、マキアが密かに想いを寄せる少年クリムは行方不明に。

マキアはなんとか逃げ出したが、仲間も帰る場所も失ってしまう……。

虚ろな心で暗い森をさまようマキア。そこで呼び寄せられるように出会ったのは、親を亡くしたばかりの“ひとりぼっち”の赤ん坊だった。

少年へと成長していくエリアル。時が経っても少女のままのマキア。同じ季節に、異なる時の流

れ。変化する時代の中で、色合いを変えていく二人の絆――。
ひとりぼっちがひとりぼっちと出会い紡ぎ出される、かけがえのない時間の物語。

 親と子の不器用な愛情

あの花、ここさけで一躍有名になったシナリオライターの岡田麿里さん。聞けば、この作品が監督としてのデビューなのだかとか。そんな岡田さんが、友情の次にテーマに選んだのは親子の愛でした。

今までの作品とは一風変わり、ファンタジー要素を取り入れた新作となった本作ですが、終わってみればしっかりまとまっており、安心して見られる映画になっていました。

映画のキーワードは「親子の愛」と「親子の時間のズレ」。主人公のマキアはイオルフと呼ばれる長寿の民。一方、子どものエリアルは普通の人間。どうやっても二人の寿命にズレが出てくる。それを二人がどう乗り越えていったかが物語の焦点になります。

詳しく書くと直接的なネタバレになってしまうので言及は避けますが、強い想いは絆となり、思い出はいつまでも色褪せない。そう訴えかけてくるようでした。

マキアとレイリアの対比


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マキアがエリアルを育てていく過程でお母さんになろうともがいている最中、レイリアは子育てには関わってないが「本当の母親」になっている。その対比はなんとも皮肉さを感じました。

籠の中の小鳥、この表現がレイリアに当てはまるかどうかは、映画を観た人にしかわからないところではありますが、最後に羽ばたけたので救いはあったのかなと。

親子の愛から異性への愛へ


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成長したエリアル。本編で詳しく追求されてはいませんでしたが、マキアに対してのあの態度はどう見ても異性を意識していましたよね。成長した自分よりも幼い母親、子どもの頃は無邪気だったエリアルも成長過程で徐々に気づいていったのでしょう。母親が普通じゃないと。

この辺りのマキアの心情を思うと悲しくてしょうがないですが、エリアルの前では母親であろうと泣かなかったのは頑張ったなぁと。マキア、偉いぞ。偉い、偉いと褒めてあげたかった。

そして、ここから後半は一気に物語が動きましたね。それぞれの想いが試されているようでした。

想いはいつまでも永遠だ。

物語のラストは遅かれ早かれくる別れ。テーマに選んだのだから、この作品は最後まで描ききっています。最後のマキアの満足した表情。数10年という長い時間を過ごして、大切な宝物はいつまでも心の奥底にあると気づいたのでしょう。そう、想いはいつまでも永遠なのだと。

まとめ

ファンタジー要素を入れたことで、万人受けするとは言い難いですが、見た後はどこかほっこりと幸せな気持ちになること間違いなしの作品です。

癒されたい方、感動したい方、肩肘張らずに映画を観たい方、みんな、みーんな良かったらこの映画を観るために映画館に足をお運びください。少しでも多くの人にさよ朝の魅力が伝わりますように。ささのはでした。

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ささのは

風景やポートレートを撮っています。
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